『人材コンサルタントに騙されるな!』山本直治

人材コンサルタントに騙されるな! (PHP新書)

人材コンサルタントに騙されるな! (PHP新書)

・転職エージェントなる事業が国から認可を取ったのは1960年。実は古い事業である。
・近年、特にITにおいてドッグイヤーというようにビジネスの動きが早い。そのため新卒を育てる余裕が企業にない。変化の早い時期には必要な事業を丸ごと買うM&Aが有効といわれるが、中途採用も同じことである。
・人材会社は登録者を選べない。しかしながらクライアント(企業)の募集要件ははっきりしている。そこがジレンマ。つまり登録者を無尽蔵に増やさざるを得ないビジネスモデルなのだ。
・人材会社には採用業務アウトソーシング的な機能もある。新卒は「季節もの」中途は不定期。よって後者は社内で明確な専任者がいない。そこでその役割を受注するのだ。
・人材会社は企業と転職者どちらの側に立つのかというのは永遠の課題である。
・大手に対抗するため中小人材会社はアライアンスを組む。具体的には登録者を別会社に紹介したりなどである。
・不動産会社には「三倍の法則」なるものがあるらしい。給与の三倍を稼いでようやく一人前、と。
・平成17年度において、民間転職会社を使って転職をしたのは全体の約2%にすぎない。一位が求人広告、二位がハローワーク。まだまだマイナーな業界なのだ。もちろんピンはねされるというようなネガティブなイメージもあるが。
・成功報酬というビジネスモデル上、不況期は先が読めない。

実に読みやすい。けれど、所詮はPHP新書だなという印象。浅い、薄い、つまり軽薄だなと。新書ではなく単なる「ある人材コンサルタントのつぶやき」というようなエッセイにすぎないんじゃないのか。ついでにいうがタイトルには偽りありだと思う。